電車の中吊り広告やSNSで40代を中心に
話題となっている「介護脱毛」
最近では芸能人も介護脱毛を公言したりTVでも取り上げられています。
今回はそんな介護脱毛を聞いたことあるけど一体なんのこと?
という方にゼロから丁寧に解説していきます。
・介護脱毛って一体何?
・聞いたことあるけど、具体的にどんな脱毛なのか知りたい
・VIOってなに?
・家族や友人に介護脱毛の話題について共有したい
このサイトでは10年以上在宅から施設まで幅広く介護に携わってきた
介護支援専門員(ケアマネージャー)が
介護の専門家の視点から介護脱毛について解説していきます。
- 介護脱毛とは何か知ることができる
- 介護脱毛が必要な背景を知ることができる
- 介護脱毛をするべき脱毛部位が分かる
- 自分の介護が必要将な未来について具体的に考えるきっかけになる
- 広告だけに惑わされずに脱毛への考えを持てる
介護脱毛ってなに?
介護脱毛は将来の介護を自他共に快適に迎えるために行う
セルフケアとしてのあらゆる永久脱毛
介護脱毛とは
一般的には
「将来の介護を見据えてアンダーヘア(VIO)を脱毛すること」
を指します。
でも、ケアマネージャーの立場からは
介護脱毛はアンダーヘアだけでは不十分と考えます。
その理由を以下に解説します。
介護脱毛の定義
リゼクリニックによると
介護脱毛は以下のように定義されています
介護脱毛とは、「自分の老後を想定し、将来介護される立場になった際に清拭や排せつ後のふき取りなど第三者の介護者に負担とならないように、あらかじめデリケートゾーン(Vライン、Iライン、Oライン)の毛の脱毛をしておくこと」です。
リゼクリニック公式HP
しかし、実際に介護では
”介護”の負担にならないように”脱毛”するのは
デリケートゾーンに限った話ではありません。
介護においてはヒゲや腕毛・すね毛といった体毛を
脱毛しておくことも将来の介護の備えになると考えます。
また、介護脱毛を行うことは
介護してもらう人への思いやりになるだけでなく、
自分自身のためにもなります。
そのため、当サイトでは一般論よりさらに広義的に捉え
介護脱毛は将来の介護を自他共に快適に迎えるために行う
セルフケアとしてのあらゆる永久脱毛
介護×脱毛HPによる定義
としたいと思います。
介護にはデリケートゾーンの脱毛だけじゃダメってことはわかったけど、それって全身くまなく脱毛を勧めてるってことなの・・?
体毛への価値観は千差万別です。全ての人が脱毛を行うべきだとは思いません。しかし高齢者介護に従事してきたからこそ高齢になるとデリケートゾーン以外にも体毛のケアが大切な場面があると感じているのも事実です。「こんなことも介護への備えになるのか」と理解を深めて頂き、ご自身の将来の介護を考える一助になりたいと思っています。
介護脱毛が叫ばれる背景
脱毛サロンのターゲット層の変遷
どうして今こんなに介護脱毛が叫ばれているのか。
SNSや電車の中吊り広告も多くなったように感じますが、
それは脱毛サロン等の顧客を若年層から40代50代へシフトしている為と
考えられます。
こちらは厚生労働省が2017年に作成した人口ピラミッドです
人口増加が最もピークであった「団塊の世代」と
「団塊ジュニア世代」に人口の波は頂点に達し、以降急激に減少しています。
2022年現在、満40歳〜50歳は1972年から1982年生まれですので
ちょうどこの「団塊ジュニア世代」からやや下に当たります。
高齢になってからでは脱毛する行為自体が難しくなってしまうため
まだまだ現役世代で顧客数の増加が期待できる40代・50代に白羽の矢が
立ったという訳です。
介護が必要な人は増える・介護する人は減る
脱毛サロンの大々的な宣伝により「介護脱毛」
という言葉が今や一般に浸透しつつあります。
しかし、あくまで”ミドル世代の脱毛の動機付け”感が
拭えず、本当に介護に脱毛が有効なのかについて
あまり言及されていないことに違和感を覚えます。
ここからは、介護における脱毛の役割に
について考えてみたいと思います。
もう一度先程の人口ピラミッドを見てみましょう。
今度は「団塊ジュニア世代」より下の若年層を見てみます。
2025年、2065年の将来はますます人口減少が加速し、
10代が75歳以上の半数になる年代もあります。
2065年には約2.6人に1人が65歳以上となり
65歳以上の高齢者1人を支えるのは
現役世代(15歳から64歳)1.3人
という構造になってしまいます。
現役世代と言っても15才も入ってるって・・
人員的にも経済的にも大変なことだね。。
つまり、これから先の将来は
”介護が必要な高齢者は増えても、それを支える介護者が不足する”
という
状況が発生します。
そこで国は海外からの介護の人材確保や介護ロボット等の活用で
人材不足による課題の解決策を模索しています。
しかし、なんと言ってもこの状況の最大の改善策は
“国民ができる限り介護が必要にならない”ことが
最も人材不足に効果があることだと思います。
そしてそのためには
介護が必要になる人、本人の努力が重要です。
例えば、糖尿病や高血圧症等の生活習慣病は
死因の全体の6割、医療費では3割を占めています。
(参考:厚生労働白書2019)
暴飲暴食を控える、適度な運動を行うなどの一人一人の健康への意識が
介護人材不足への対策の大きなポイントとなる訳です。
セルフケアとしての介護脱毛
生活習慣病の予防は介護が必要になる状況を防ぐためにも
重要なポイントになってきます。
しかし、それでも老化していくことを誰も止められません。
介護してくれる人がいなかったら
できる限りのことは全て自分でやることになります。
腰が曲がった状態でお尻を拭いたり、
手の届きにくい箇所への薬の塗布も一人でやらなくてはなりません。
そんな生活の一助になるが、
セルフケア、つまり自分で自分をケアすることです。
具体的には
認知症予防のために地域でのボランティア活動を続けたり
体力低下防止のために散歩の習慣を取り入れたりすることが
が挙げられますが
「介護脱毛」もセルフケアの一つと言えます。
介護脱毛を行うことで
デリケートゾーンでは排泄後の拭き取りが
楽になり、皮膚炎の予防を期待できます。
また男性ではヒゲ剃りの時間が短縮できることで
身支度が容易になり、引きこもりの予防にもなります。
このように、現在の高齢者と同じように介護を受ける
ことを期待できない世代には、少しでも自分自身で
介護の課題を解決しやすい身体でいておくことが
将来の介護予防として、とても大切です。
介護脱毛の部位
介護予防として介護脱毛が大切なのはわかったけど、どんな部位の脱毛が介護の役に立つのかしら??
デリケートゾーン(V・I・O)
介護脱毛のメインと位置付けられているのが
デリケートゾーン(アンダーヘア)の脱毛です。
部位ごとに
「V(ヴイ)」「I(アイ)」「O(オー)」
の3つのパーツに分かれています。
今回はブタさんにご協力いただきVIOの部位をご紹介します
Vゾーン
Vゾーンはショーツを履いた時に丁度全面が隠れる範囲です。
ただ、サロンによっても呼称が若干違うようで
ミュゼプラチナムでは
ショーツ前面の範囲をさらに細分化して設定しています。
実施する際は施術のサロン・クリニック等に必ず範囲の確認が必要です。
Vの脱毛デザイン
サロンやクリニックによっては毛を残す範囲を定めることができます。
衛生さを求めるのであれば1のハイジニーナ(全処理)がオススメですが
「全部は無いのは恥ずかしいな」と思う方は
極小逆三角や長方形スタイルもオススメです。
Iゾーン
Iゾーンは性器周辺のから肛門前までの範囲を指します。
サロン・クリニック等では粘膜までの照射に対応していない場合がありますので
事前に確認が必要です。
また、皮膚が非常に薄いため痛みを感じやすい部位です。
そのため医療レーザー脱毛のクリニックでは希望に応じて
麻酔クリームや吸入型の笑気麻酔を使用できる場合もあります。
Oゾーン
Oはお尻全体ではなく肛門周囲のみの部位です。
こちらは普段は自分では気付きにくい部位ですが、介護脱毛を考える上では
最も清潔さをキープしたい箇所です。
高齢になると肛門まで手が届きにくかったり、またオムツが必要になると
ただれが起こる場合もあります。
家族介護において排便時の排泄介助は排尿時よりとても大変です。
Oの脱毛をしているだけで拭き取り回数は減少させることが出来ます。
髭
髭のお手入れは男性にとっては日課かもしれませんが
高齢になってくるとその時間すら億劫になることもあります。
最近はメンズ脱毛も専門のクリニックが多くなり
男性でも通いやすくなってます。(例:ヒゲのゴリラ脱毛「ゴリラクリニック)
髭をデザインをして残したい場合は
1本1本を確実に永久脱毛する「ニードル脱毛」が
オススメです。(麻酔無しは耐えられないそうですが・・)
また、女性も高齢になり自身のケアが行き届かなくなる
と口周りの産毛が目立つ方も見受けられます。
衛生面というよりは「いくつになっても清潔感ある高齢者でいたい」
と思う方には女性のフェイシャル脱毛もオススメです。
腕・足
脱毛では王道の腕は足の脱毛ですが
こちらもクリニックによって
「肘上」「肘下」「膝上」「膝下」
と分かれ、指の毛や手の甲などは別途料金の場合もあります。
高齢になると皮膚の油分バランスの変化により「脂肪欠乏性皮膚炎」や
「脂漏性皮膚炎」などの皮膚疾患になるリスクが高くなります。
また、免疫力の低下により小さな傷口から細菌が入ることで起きる
「蜂窩織炎」等の感染型の疾患にもかかりやすくなります。
日頃の保湿ケアや、罹患(りかん)後の清潔保持や軟膏の浸透性を
考えると、四肢の脱毛も介護の備えとしては有効です。
参考:皮膚とアレルギーの情報サイトかゆみナビ,MSDマニュアル家庭版
まとめ:介護脱毛は将来の介護を具体的にイメージしよう
私はこれまでお伝えしてきた通り、
介護脱毛は将来の介護を見据えて行うセルフケアとしてとても
有効だと考えています。
しかし、昨今では「介護に向けて脱毛をしよう」という
広告文句だけが浸透し、実際の必要性については
見逃されがちな印象を受けます。
私は安易に全身ツルツルになることが介護脱毛だとは
思いません。
きちんと、将来自分の身にどんな介護が必要なのかを
知った上で、必要と感じた部位のみ脱毛する、
またはしないと判断すればいいことです。
どうぞ皆さんもSNSやメディアの広告だけを
信じず、自分で学んで、考えて納得してから
行動してくださいね!
このサイトでは介護脱毛をお考えの方に
実際の介護現場の視点から役立つ情報発信していきたいと思いますので
参考にしていただけたら幸いです。
- 介護脱毛はVIOだけじゃない
- 40年後の日本には介護を頼める若者がいない
- 自分で自分をケアする「セルフケア」が大切
- VIOは排泄介助、髭は身だしなみの時短、手足は皮膚疾患予防に役立つ
- 介護脱毛は広告だけで決めず、自分の将来を具体的に想像することが大切
- 自分の肌でもできるのなんだが不安・・
- 高額な料金がかかりそう・・
そんな時は
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